小さい頃から高血圧や糖尿病の薬を飲む親の姿を見て育った人もいることだろう。自治体の広報などでも、成人病予防の料理教室などの催し物の告知が頻繁に掲載されているのを目にする。今や国をあげて成人病予防に取り組んでいるといっていい。
成人病とは、その名のとおり年をとるとともに多発しやすい病気の総称。ガン、心疾患、脳血管障害といった死亡率の高い成人病のほかに、高血圧、糖尿病、肝臓疾患、動脈硬化なども含まれている。データをみると、高齢化社会が進むにつれて成人病の患者も急激に増え、とくに65歳以上になるとグンと増加しているのが特徴だ。成人病の原因は、欧米化した高コレステロールの食事、運動不足、アルコールの摂りすぎ、喫煙、過労(社会的負担)など。別名習慣病と呼ばれているように、長年の生活が反映された病気だといえる。そこへ体の老化が加わるといっそう症状が著しくなるために、65歳以上の患者が多いと考えていいだろう。
さて、この成人病のやっかいなところは、
@高コレステロールの食生活を続ける
A動脈硬化になる
B高血圧になる
C脳卒中になる
というように、ほかの病気を引き起こしたり、同時多発的にいろんな病気にかかってしまうことだ。脳血管障害による痴呆などもそのひとつ。ほかにも、糖尿病の女性は骨粗鬆症になりやすかったり、糖尿病から目の病気を併発したりする。
では、成人病はどうしたら防げるのか。それには先にあげたような原因を取り除いた生活を送ること。そして、無症状であっても定期健康診断を受ける習慣をついて早期発見、早期治療を心掛けることだ。また、同じ食生活を続けて体質の似た親子は、同じ病気にかかりやすいと考えられているから、成人病の問題は60歳になる親だけのものではなく、子ども世代も気を付けなければならない病気でもある。
いざ親が病気となれば体はもちろん、心配なのは治療費。退職した親の健康保険はどうなるのだろう?まず会社勤めの親が加入しているびょ区場の健康保険は本人負担が3割。退職後、国民健康保険に移るが、その際も3割負担となる。
これまで以上に医者にかかる率が高くなる年齢としては、負担が増えるのは不安なことだ。そこで、それなりの配慮がされている。
健康保険継続療養給付制度
退職前から歯や持病の治療を受けていたといった場合、退職後もつづけて同じ健康保険を利用できる。ただし、別の歯の治療も始めるときには、新しく治療を始めた分には適用されない。期間は初診日から5年間に限られる。中途退職でもOK。
任意継続被保険者制度
退職後2年間は、加入していた健康保険に加入しつづけることができる。これは定年退職ばかりではなく、中途退職でもOK。55歳以上で退職した場合は60歳になるまでこの制度が利用できる。医療費の自己負担は退職前と同じ負担で済むが、保険料はこれまで会社が負担していた分も含めて全額自己負担になる。
退職者医療制度
国民健康保険に加入していて、厚生年金や共済年金を受け取っている場合に使える制度で、対象になるのは本人とその家族(被扶養者)。本人は通院・入院とも医療費の2割自己負担で、家族は通院の場合は3割、入院の場合は2割自己負担することになっている。保険料は一般の国民健康保険の場合に応じて決まる。
保険料は一般の国民健康保険の場合に応じて決まる。
どれもいかにもお役所らしいむずかしい名前だが、ポイントは@退職前に治療を始めること、A『任意継続被保険者制度』と『退職者医療制度』の利用については、どちらがトクかよく考えて選ぶこと(一般には、退職後2年間は健康保険の任意継続を利用してそれ以後を退職者医療制度を利用するケースが多いようだ)。役所が嫌いな親なら、自分が代わりに保険担当の課に電話することくらいはしてあげよう。